PEK 2025 参加記
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目次
本エントリは、PEK2025 の参加レポートです。
イベント概要
Platform Engineering Kaigi 2025 (PEK2025) は、2025年9月18日に中野セントラルパークカンファレンスにて開催された、「プラットフォームエンジニアリングに関する知識と経験を共有するための専門カンファレンス」です。
イベントホームページは以下です。
また、各セッションのアーカイブは
https://www.cnia.io/pek2025/sessions/
から視聴できます。
参加の目的
最近 Kubernetes (K8s) に興味があり、K8sでPlatformを作るお仕事は楽しそうだなぁと、ぼんやりと思っていました。 そんな時、TwitterでPEK2025の開催を知り、Platformを作るとはどういうことか、どんなことにみんな困っていて、どんな流れがあるのか、お話を聞いてみたいと思い、参加を決めました。
当日のハイライト
入場
少し早く着いてしまったので、会場の周りを徘徊して時間を潰しました。

セッション
いくつか紹介します。
KeyNote
https://www.cnia.io/pek2025/sessions/6eb70f9e-368c-466b-a996-9469f5329e4a/
まずはキーノートセッションです。 (直前までスポンサーブースを回っていたら、座る場所がなくなってしまいました。)
Nicki Watt さんによる英語での講演でしたが、当日は日本語の同時通訳が提供され、英弱の私にはありがたかったです。
同時通訳を受けるのは2回目だったのですが、これは非常に脳が疲れますね。
片方の耳から英語の生音声が聞こえてきて、もう片方の耳から同時通訳の日本語が聞こえてきます。そしてスライドは英語です。
聞くだけでも疲れるのに、それをリアルタイムで生成している通訳の方はすごいなぁと改めて感じました。
今回は同時通訳に加えて、
https://www.cnia.io/pek2025/blog/keynote-introduction.md/
こちらのカンファレンススタッフによる紹介記事で予習することもできたので、普段よりも英語の講演を理解できたように思います。
持続可能なプラットフォーム運用:エコシステム導入の判断基準と運用戦略
https://www.cnia.io/pek2025/sessions/681b5e08-d457-4b71-9688-d2e2d8b75802/
多くのセッションが実務でのお話である一方、このセッションはプライベートで個人開発する際にも参考になりそうな内容だったので、見に行きました。
- エコシステムを導入すると簡単に機能が実現できたりするが、一方で、それらを管理していくコストが発生する
- エコシステムのサポートが修了したらどうするのか、バージョンアップ対応はどうするのか、エコシステムの学習コストなど
- まずはエコシステムを導入しないで(基本機能で)解決できないか考える
- エコシステムの成熟度(CNCF Landscape: https://landscape.cncf.io/ )
- GitHubのアクティブ度 (Issue、PRの対応状況、リリース頻度、など)
- 他で導入している、運用で参考になりそうな事例はあるか
- なぜこのエコシステムを選んだのか、Design Docs を残す
など、今後の個人開発でも意識してみようと思います。
ワークロードを処理しないプラットフォームに専念する
https://www.cnia.io/pek2025/sessions/13c71da3-4798-4546-89e1-1f2acdae7def/
カンファレンス最後のセッションです。 このセッションを聞くまでの、私のPlatform Engineeringに対する理解は「なんかK8sとかで開発者向けの基盤(IDP: Internal Developer Platform/Potal)を作ること」というものでした。 このセッションは、基盤を作るのではない、Platform Engineeringについてのお話です。 基盤があるとして、プラットフォームチームがそれらをどう運用、改善していくか、という、もう一歩先を考えます。 このセッションでは、書籍「Team Topologies」を共通言語として、運用、改善のアプローチが説明されます。 また、プラットフォームチームをお仕事として持続的に成立させるためのケーススタディも紹介されます。 ただ作るだけでない、作って終わりではない、Platform Engineeringの大変さを少し理解できたような気がします。
NOC
セッションの合間に、オープニングで宣伝されていたNOC (Network Operations Center) を見学に行きました。
NOCというのを初めて見たのですが、機器は有志の方々の私物だそうで、すごいですね。
通りがかったNOCスタッフの方に質問すると、それぞれの機器の役割などを楽しそうに説明してくださって、とてもおもしろかったです。

また、当日は会場ネットワークが不安定になることもあったのですが、その対応についても説明してくださり、非常に勉強になりました。
Twitterでも、NOCスタッフの方が言及されていました。
https://x.com/Kinukui2003/status/1968712518181798155
ヌックん @Kinukui2003
会場ネットワークで上流に会場既設のルータを使用する場合、QUIC (UDP 443) を止め、さらに TCP で通信する DNS over TLS を設定することで、既設ルータの NAPT テーブルを圧迫せずに運用できるという新しい知見を得られたのは、個人的に大きな収穫だった
本屋さん
会場では本の即売会も開催されていました。
技術書というのは、眺めているだけでも楽しいですね。

この日は特に買う予定は無かったのですが、maruさんのセッションで引用されていた本を読んでみたくなったので、閉まるギリギリに駆け込んで購入しました。
レシートが特別仕様で嬉しい。

クロージング
クロージングで全体写真を撮りました。
こんなにたくさんの人が集まるというのはすごいですね。

懇親会
懇親会では、たくさんの人と交流できました。技術イベント対面参加の一番の醍醐味ですね。 対面で挨拶をすると、その人の話し方、雰囲気を知ることができます。 すると、今度インターネットでその人の発表資料やブログを見るときに、あの人ならこういう説明をするのかな、ここはこういう意図で書いてそう、というのを想像しながら見ることができ、とても理解が深まる気がします。 なにより、大量の情報で溢れるインターネットの中で、普段ならスルーしてしまうような情報でも、あの人が書いてるなら見てみようかなと覗くきっかけになるのが良いです。
それと、昔からよく目にしていた、とある企業の技術ブログの著者の方とお話できたことには興奮しました。
まとめ
やはり、対面参加は良いですね。 オンラインで動画を見るのと、対面でセッションを聞き、その場で感想を言い合い、質問し、懇親会で交流するのでは、得られるものが全く違います。 対面参加は時間的にも金銭的にも体力的にも負担が大きいですが、今後も積極的に参加して、世界を広げていきたいと思います。
謝辞
この度のPEK2025への参加は、株式会社サイバーエージェント様(以降、CAと表記)の「カンファレンス参加学生支援プログラム(以降、支援プログラムと表記)」による支援を受けたものです。
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32251
支援プログラムでは、
- 交通費
- チケット費
- 宿泊費
が全額支給され、
- CAの現役エンジニア社員や、支援プログラムを受ける他の学生と交流できる機会
も提供されました。
関西在住の学生という身分で、インフラ系に興味がある仲間が少ない私にとって、これらの支援は大変ありがたいものでした。 CAと、支援プログラムに心より感謝申し上げます。
以下はCA社員の方々と支援プログラムを受ける学生の集合写真です。
https://x.com/ca_developers/status/1968830219482980456

参考リンク
- https://www.cnia.io/pek2025/
- https://www.cnia.io/pek2025/sessions/
- https://x.com/Kinukui2003/status/1968712518181798155
支援プログラムを受けた他の学生によるブログ
- https://www.ogatakatsuya.com/blog/platform-engineering-kaigi-2025/
- https://note.com/rapid_stilt2099/n/n29ee1daad59e